スマホゲーのリッチ化

スマホのゲーム構造は大きく「バトル」+「成長」である。
で後者の「成長」に対し「ガチャ」という課金要素を追加しているのが多いが
「バトル」っていうのは成長の確認をする重要な場所ではある一方で、
バトルが楽しくてもそれが直接的な課金には繋がっていない。
(コンティニューっていうのはあるとは思うけど)

キャラクターという面から、3Dになることでの強みを考えてみる。
それは、全方位からキャラクターを見れることや装備の変化を楽しめること。
私的に音ゲーの3D化は非常にというか強烈にうまい3Dの使われ方だと思っていて、
なぜなら、ゲーム中に3Dキャラクターが自分の方を向いて踊ってくれるから。
キャラクターを眺めながらゲームも楽しめるモデルというのはなかなか少ないんじゃないのかな。
普段からキャラクターを眺めることで、もっとかわいくしたい、他の衣装も見てみたい、となりやすそう。

逆に3Dの弱みはバトル部分で特に感じる。
スマホは物理ボタンがないからアクション性のある操作が大変なのは言わずもがなだが、
TPSのようなレイアウトになるゲームは、キャラクターが「小さく」「後ろを向いて」いる。
操作フィールドが広がれば広がるほど、キャラクターに対しての「表現密度が落ちる」。
バトル内ではキャラクターの魅力は基本落ちるはずなのだ。
となると、TPSを作る場合、キャラクター成長要素、と別の軸を魅力として用意してあげたほうがよさそう。
では、それは気持ちよいエフェクトなのか?

私的に、多くのゲーム開発者が陥ってるんじゃないか、と思うのが「バトル」部分のリッチ化と考える。
3D化し、バーチャルパッドで操作できて、カメラが動いて、リッチなフィールドを動けて、
エフェクトがリッチになって・・・

でも、遊びたいゲームと、遊べるゲームって違う気がするんだよなぁ。

家庭用ゲームがなぜ衰退したか、って、リッチ化と裏腹に余計な演出要素が増えたからだと思う。
自分はPSの頃のFFの召喚獣演出とか大好きだったけど、そのうち演出スキップ機能が入った。
過剰演出を求めないユーザーが現れ始めたのだ。
ロード時間がすごい長くなってイライラするとかも、全部家庭用が通ってきた道。

リッチな絵は「成長」「強さ」「ご褒美」として求められてるとは思うんだけど、
結果、「バトル」部分まで重厚長大にして喜ばれるのかは甚だ疑問。
また、「成長」部分もかなり複雑化してるので、ここだけでも一本のゲームのようなボリュームだ。

なんでみんなスマホに移ったのかって、ゲームに割ける時間が減ったから、だと思う。
ゲームを「細切れ化」することでいろいろな隙間時間に遊べるようにしてヒットしたのが今のスマホのゲーム。
スマホのゲームはネットやアプリやLINEや電話と並列にあるものなので、基本は「ながら」プレイ。
電池の減りが早かったり、ワンプレイが長かったりすると、それ以外のことがしづらくなる。
スマホライフバランスを崩しちゃうようなゲームは長くは遊んでもらえないはず。

よくみる「育てた3Dキャラクターがリアルな3Dフィールド内で大暴れします!!
これがなんとスマホで遊べるんです!!」的表現。これは本当に「魅力的」??
もし求める人はPCや家庭用ゲームを買ってるはず。スマホよりもっと魅力的だから。